なぜか高い放射線測定値

0.08μsv/h

これは自宅でRadex1503による測定結果。0.08μsv/hを示しています。だいたい0.07~0.16μsv/hぐらいで、平均すると0.12μsv/hぐらいです。

しかし、神奈川県発表のモニタリング結果は10~50nGy/h。μsv/hに換算すると0.01~0.05μsv/hということになって、当サイトの測定結果は県発表の2倍くらいになっている。この差は何でしょう。

公的機関はちゃんとした測定機器を使っていることでしょうから、値は信憑性がありそうです。でも、うちだって2種類(RD1503とGM-10)のガイガーカウンターで確認しています。何か測定条件が違うのでしょうか。何故こんなに違うんでしょう。測定値を公開するからにはその辺の事情も分かっていないと無責任な気がします。

ネットで調べてみると原因らしきものが一つ見つかった。 公の機関ではγ線だけでβ線はカウントしていないらしい。うちのはミューラー管でベータ線もガンマ線もカウントしている。ガイガーカウンタは構造上これらの放射線をすべて捉えることはできないので一分間当たりのカウント数からμsv/hを計算しているらしい。 そのときベータ線が多いと計算上μsv/hが大きく出てしまうらしいのだ。ならばベータ線をカウントしなければうちの測定結果も県発表程度に下がりそうだ。ということで、実験を試みた。

β線遮蔽実験

カット済みアクリル板

ベータ線はアクリル板で遮蔽できるとのことなので、まず、ホームセンターで厚さ5mmアクリル板をゲット。写真のようにカットして各面2枚分で厚さ1cmの箱を作ります。

完成した遮蔽箱

箱が完成。

Radexがぴったり収まっています。

ウランガラスのビーズ

ここで、線源(radiation source)としてウランガラスのビーズを使います。着色のために微量のウランを含んでいるそうです。

ウランビーズの放射線量

Radexのミュラー管に沿って置いてみたところ。測定値はなんと!0.84μsv/h。ウランはα線崩壊、β線を出しています。

ビーズとの距離を約1cmに

アクリルケースに入れた場合はビーズとの距離が1cmはあるはずなので1cmくらい間を開けて測定。測定値は0.46μsv/h。それでも、まだ高いです。

β線遮蔽できてます。

作成したケースにRadexRD1503を入れて放射線量を測定します。上の実験をアクリルケースでβ線を遮蔽して行ってみようというわけです。

Radexがアクリルケースで1cm上がっているので、ダンボール2枚でビーズも1cm上げています。

0.46μsv/hだったのが、アクリルでβ線を遮蔽すると、どんどん下がってウランビーズがあっても0.07~0.15μsv/h。

どうやらアクリルケースでβ線は遮蔽できているようです。

ケース越しに自然放射線を測定

ウランビーズを取り除き自然の状態で測定しました。これでβ線無しの放射線量を測定できるはずです。県発表近くまで下がることを期待していましたが・・・

Radexはアクリルケースで覆っても測定値は変わらず。(-_-;)

今回わかったこと

県発表の2倍もの測定値はβ線の影響によるものではないようで、結局、今のところ原因は不明です。

でも、葉山町の測定結果→葉山町における放射線量の測定値について(PDF)では当サイトの測定結果とほぼ同じ値を示しています。 ですから、今の値を平常の値として心に留めおき、この値と比べて大幅に高くなったら「要注意」という判断材料にする。という使い方がよいようです。

Presented by Yasushi Morita

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